債務整理を検討している中で、自分が行う手続きがどのような流れで進むのか、どれくらいの期間がかかるのかについて気になる方も多いのではないでしょうか。
債務整理の中でも貸金業者との和解契約等によって返済条件を緩やかにあらため、分割して支払っていく手続きである任意整理は、自己破産・個人再生に比べて手続き的負担も少ないため、多くの人に利用されます。
では、その任意整理は、どのような流れで進行するのでしょうか。
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任意整理の手続きにかかる所要期間
まず、任意整理の手続きにかかる所要期間を確認しましょう。
任意整理とは、貸金業者と交渉をして、借金を減額するようにお願いする手続きのことをいいます。
任意整理は通常弁護士に依頼し、貸金業者と交渉する準備をし、貸金業者と実際に交渉を行い、合意した後は書類を取り交わし、順調に返済をすることになります。
そのため、任意整理は大まかに次の4つの過程に分けられます。
この記事を読んでわかること
- 弁護士・司法書士への相談まで
- 弁護士・司法書士に依頼してから実際に貸金業者と交渉に入るまでの準備段階
- 弁護士・司法書士が貸金業者と交渉~和解まで
- 依頼者が完済するまで
それぞれ次の期間が必要です。
内容 | 期間 |
---|---|
弁護士・司法書士への相談 | 即日から1週間程度 |
弁護士・司法書士に依頼してから実際に貸金業者と交渉に入るまでの準備段階 | 1ヵ月~半年程度 |
弁護士・司法書士が貸金業者と交渉~和解まで | 通常1ヵ月程度 |
依頼者が完済するまで | 3年~5年程度 |
それぞれ、どのようなことを行い、どのような理由でこれくらいの期間がかかるのかを確認しましょう。
弁護士・司法書士への相談まで
弁護士・司法書士への相談までには即日~1週間程度かかります。
債務整理に限らず弁護士・司法書士に依頼をする場合には、まず相談を行います。
突然事務所に電話・訪問しても、弁護士・司法書士は外出していたり別の執務で対応できないこともあります。
そのため、まず面談をするための予約を取ることになります。
弁護士・司法書士が手が空いていて、すぐに相談できる場合や、その日のうちに相談できる場合、即日で相談ができることも珍しくありません。
日時が合わない場合でも、お互いの予定が合えば、1週間くらいで相談の予約を組むことができます。
弁護士・司法書士に依頼してから実際に貸金業者と交渉に入るまでの準備段階
弁護士・司法書士に依頼してから実際に貸金業者と交渉に入るまでの準備期間としては、1ヵ月~半年くらいが必要です。
この間、弁護士・司法書士は貸金業者に受任通知を送付し、貸金業者から取引履歴を送ってもらい、その取引履歴に基づいて引き直し計算を行います。
そのための期間として、1ヵ月から長いと3ヵ月程度かかります。
良く名前を聞く消費者金融・信販会社・銀行などの金融機関であれば、弁護士・司法書士からのこれらの依頼に対してすぐに対応できるので、長い時間がかかりません。
しかし、債務整理に非協力的である・小規模な会社であるため取引履歴の開示に応じるためのマンパワーが足りないといった場合には時間がかかってしまい、3ヵ月程度かかることがあります。
また、一方で依頼者は、この間に弁護士・司法書士への報酬のうち、着手金を分割で支払うことが非常に多いです。
任意整理にかかる着手金の相場は?
任意整理をするにあたって、弁護士・司法書士に依頼する場合には、弁護士・司法書士に対して着手金の支払いが必要です。
任意整理の着手金の相場は、1社あたり2万円~5万円(闇金融・商工ローンの場合は5万円~10万円)であり、例えば3社との任意整理をする場合、少なくとも2万円×3社=6万円の支払いが必要です。
借金返済が難しくなっている局面で、このような着手金の一括払いは非常に困難です。
そのため、多くの弁護士・司法書士が、着手金の分割後払いを認めています。
この着手金の分割後払いが終わるまで、弁護士・司法書士は貸金業者との交渉は原則として行わず、着手金の分割払いが終わったら、あるいは、終わる頃に交渉の準備をはじめます。
この分割ですが、事務所の方針にもよりますが、おおむね6回の分割(6ヵ月)程度が上限です。
以上の弁護士・依頼者の準備期間に行っていることを総合考慮すると、弁護士・司法書士は1ヵ月程度で準備が終わり、依頼者としては身内に弁護士・司法書士費用を用立ててもらえるような場合にはすぐに支払いが終わります。
そのため最短では1ヵ月で準備をすることができ、依頼者が分割で費用の支払いをしている場合には、6ヵ月程度かかります。
なお、弁護士・司法書士費用の分割の支払いが遅れれば遅れるほど、任意整理の交渉期間も長引くことになるので注意しましょう。
弁護士・司法書士が貸金業者と交渉~和解まで
弁護士・司法書士の交渉の準備が終わり、依頼者が弁護士・司法書士への着手金の支払いが終わると、弁護士・司法書士と貸金業者が交渉をはじめます。
これにかかる期間は、特に争う内容が無ければ1ヵ月程度です。
なお、次のような事情があると、貸金業者と意見の相違が発生し、争うことになります。
和解交渉がまとまらない原因例
- 返済を一度もしていない
- 返済期間が非常に短い
- 遅延損害金が多額についておりその支払いについて一切の譲歩もせずにカットするよう依頼する
- 過去に過払い金が発生していた部分についての計算方法に争いがある
- あまりにも長期の分割返済を提案している
- あまりにも毎月の返済額が少ない提案をしている
このような場合、貸金業者との交渉が発生し、3ヵ月以上もかかることもあり、合意ができないまま貸金業者が裁判を起こすこともあります。
依頼者が完済する
最後に、依頼者が完済するまでの期間を検討する必要があります。
任意整理は、貸金業者との和解が成立し、その和解内容で完済する必要があります。
任意整理における貸金業者との和解において、支払い期間の目安となるのが3年(36回)~5年(60回)です。
例えば、貸金業者と50万円の債務について分割弁済をする場合、毎月17,000円を35回に分けて、残り5,000円を最初の一回もしくは最後の1回で支払う形になります。
もっとも、毎月の返済可能額が13,000円程度である場合には、毎月17,000円の支払いはできないことになります。
返済の分割払いは何回払いまで認めてもらえる?
貸金業者との任意整理の分割回数の目安は、個人再生と同様に回数である36回が一つの目安となります。
しかし、36回では支払いができない場合もあるでしょう。
このような場合に弁護士・司法書士は貸金業者と交渉を行い、さらに長期の分割にして、毎月の返済額を下げるように交渉します。
例えば最大の分割回数である60回(5年)にしてもらえれば、合計60万円の支払いは毎月1万円で済むことになります。
さらに、長期の分割で合意ができれば、毎月の返済額はもっと下がることになります。
しかし、あまりにも長期間の分割返済は、債権者に債権管理の負担を生じさせることにもなりかねません。
そのため、5年(60回)を超える長期の分割には、貸金業者はほぼ応じません。
これらのことを勘案すると、3~5年の期間で完済をします。
当然返済が遅れるとその分終了まで時間がかかります。
任意整理の流れ
任意整理のおおまかな期間を把握したところで、次は任意整理の具体的な流れについて確認しましょう。
0.専門家に相談の予約
上述しましたが、任意整理を含めた債務整理については、まず弁護士・司法書士と面談を行います。
弁護士・司法書士に直接任意整理を依頼することはできず、まずは借金についての相談を行います。
債務整理は、その人の債務の額や返済能力に応じて適切な手続きがあり、希望だけで決められません。
よく、自己破産をしたくないので、任意整理を依頼したという相談を弁護士・司法書士にする人がいるのですが、任意整理で支払えない状況である場合には弁護士・司法書士は任意整理の依頼を受けません。
例えば、債務の総額が300万円である場合、上述したように長期でも60回の分割が目安となるので、少なくとも5万円の支払いが毎月必要となります。
毎月の支払い能力が3万円しかない場合、任意整理をしようにも上記の支払いができません。
無理やり毎月5万円の支払いとなる和解を組むことは、弁護士・司法書士としては弁護過誤として責任を問われかねないことになる一方、毎月3万円の支払いで済むように交渉しても債権者には応じてもらえないので裁判を起こされて強制執行される結論になってしまいます。
このようなことがないように、その人に併せた手続きが何か、きちんと借金相談で確認してから手続きを行います。
相談をするためには、上述したように通常はまず電話やメールフォームで相談希望であることを伝えて、事務所の事務員と面談をする日時を決めて予約を行います。
1.対面またはオンラインで相談
予約した日時に対面またはオンラインで相談を行います。
面談では、どの債務整理がその人にとって適切なのかを判断するため、次のような事項について聴取が行われます。
- 借入先
- 債務額
- 最初の借入時期
- 担保の有無
- 保証人の有無
- 公正証書を差し入れしたか
- 収入
- 支出
- 手続きについての希望
これらの事項を整理した上で、弁護士・司法書士から適切な債務整理の手続きが示されます。
なお、上記の事実関係の整理については、弁護士・司法書士を補助する専門のパラリーガルが行うことが多いです。
上記の事項についてはどの弁護士・司法書士に相談しても聞かれることになるので、あらかじめまとめておくと相談がスムーズに行われます。
無料相談では相談時間が限られていることもあるので、事前に調べておきましょう。
なるべく正確な情報を提供するのが望ましいのですが、もしわからないことがあるのであれば、だいたいの金額でも大丈夫です。
相談は一人の弁護士・司法書士としかできないというわけではなく、複数の弁護士・司法書士と行うことが可能です。
債務整理は上述した通り6ヵ月を超えるような手続きとなるので、安心して依頼できる弁護士・司法書士が見つかるまで、相談を重ねてもかまいません。
2.委任契約を結ぶ
弁護士・司法書士との相談の結果、任意整理を行うことに、弁護士・司法書士と依頼者が合意ができた場合、委任契約を結びます。
弁護士・司法書士ともに、委任契約をする場合には契約書を作成することになるので、契約書に署名・捺印を行います。
相談ですぐに依頼したい場合には、相談時に印鑑を持参したほうが良いでしょう。
3.受任通知の送付
弁護士・司法書士に任意整理を依頼すると、受任通知を送付します。
受任通知とは、弁護士・司法書士が債務整理の依頼を受けた旨を貸金業者に知らせる通知のことをいいます。
貸金業者は弁護士・司法書士が債務整理の依頼を受けた場合、それ以後は本人に正当な理由なしに督促することができなくなることが貸金業法21条1項9号で定められています。
弁護士・司法書士が送る受任通知は、貸金業者に依頼者への督促をさせない上でも重要です。
依頼をした時間にもよりますが、この通知は弁護士・司法書士に依頼したその日か、少なくとも翌日には発送されます。
翌日か翌々日には貸金業者に到達するので、この時点で貸金業者は督促をしなくなります。
もっとも、弁護士・司法書士に任意整理を依頼してから、貸金業者に通知が到達するまでには、若干のタイムラグがあります。
その間は依頼者が未払いである場合には督促される可能性がありますが、すでに弁護士・司法書士に依頼済みであることを貸金業者に伝えれば、督促を控えてくれることがほとんどです。
4.取引履歴の開示請求
取引履歴の開示請求を行います。
任意整理をするにあたって、債務の額がいくらなのかを正確に計算する必要があります。
貸金業者は契約者との取引履歴を通常は保管しており、これを後述する引き直し計算をすることで、現在の正確な債務額を知ることが可能です。
特に、2010年6月18日より以前に消費者金融・信販会社から借入をしていた場合には、利息制限法を超える額の返済をしていた可能性があり、その分については元本に充当でき、ケースによっては逆に貸金業者に返還を求めることができる場合があります。
この払いすぎていたお金のことを過払い金と呼んでおり、過払い金が無いかを調査するために、取引履歴の開示請求を行います。
なお、この取引履歴の開示に対しては、貸金業者は応じる義務があることが最高裁判所平成17年7月19日判決で認められています。
取引履歴の開示請求といっても、通常は受任通知に取引履歴の開示を求める旨の文言が記載されているので、受任通知と同時に取引履歴の開示請求もされています。
5.引き直し計算
取引履歴をもとに、現在の債務額を計算するために、引き直し計算を行います。
引き直し計算とは、債務の正確な計算を行うためにする計算をいい、取引履歴をもとに正しい利息で計算するために用いられます。
特に上述した過払い金がある場合に、取引履歴上(契約での計算)は利息制限法を超える利息で取引している場合に、利息制限法の上限利率での計算を行うといくらになるかの計算ができます。
これによって債務の減額や請求できる過払い金の額の計算ができます。
この計算は時に貸金業者側と大きな食い違いとなることがあるので、正確に行う必要があります。
先ほどの行程で請求した取引履歴は、弁護士・司法書士に送られるので、弁護士・司法書士がその計算を行って、任意整理の交渉のベースとなる債務額を決めることになります。
6.和解案の作成
貸金業者に対して提示する和解案の作成を行います。
弁護士・司法書士による債務の調査が終わり、依頼者の着手金の入金が終わると、いよいよ任意整理の準備に取り掛かります。
任意整理は、弁護士・司法書士側から、和解案を提示し、貸金業者側がこれの諾否を回答するという形で進みます。
そこでまず行うのが和解案の作成です。
丁寧に任意整理をすすめる場合、まず依頼者に当初申告してもらってる毎月返済できる金額に相違ないか確認します。
法律相談の段階で毎月いくら返済ができるかを申告してもらって、それをもとに債務整理の方針を決めます。
このとき、日々借金の返済に負わされていることから家計の感覚が麻痺していたり、自己破産はいやだからという理由で、毎月返済できる金額を多く申告することがあります。
また、毎月かなり節約して生活していたのが、債務整理に着手することで余裕が出たように感じた結果毎月の生活費があがってしまい、当初申告していた金額の返済ができなくなっていることがあります。
この時点で任意整理から半年ほど経っていることもあり、一度ここで返済可能な金額について認識のすり合わせを行います。
その上で、債権者に提示する和解案を検討し、無理なく支払えるかを確認します。
この時点で返済ができないといえる場合には、自己破産や個人再生に切り替えることも可能です。
7.債権者との和解交渉
債権者と和解交渉を行います。
和解交渉は基本的には次の流れで行われます。
和解交渉の流れ
- 弁護士・司法書士が貸金業者に和解案を提示
- 貸金業者が提示した和解案を検討
- 和解案に合意できる場合にはその旨を弁護士・司法書士に伝える
- 和解案に合意できない場合はその理由を弁護士・司法書士に伝えて調整を行う
例えば、かなりの額の遅延損害金がついている場合に、弁護士・司法書士が元金のみの分割返済を提示した場合には次のような流れで交渉が進むことになります。
和解交渉の進行例
- 弁護士・司法書士:元金での分割和解案を提案
- 貸金業者:遅延損害金を主張
- 弁護士・司法書士:遅延損害金を1/4に減らすよう主張
- 貸金業者:遅延損害金を1/4加えた額で合意
当初の計画よりも毎月の支払額が増えることがあるので、債権者と調整をしながら、依頼者と返済可能な額についての話し合いをすることもあります。
8.和解成立・合意書の作成
和解が成立すると合意書を作成します。
任意整理は法形式上は、従来の金銭消費貸借契約について、あらたに和解契約をして支払い条件を替えるものです。
そのため、合意書という形式のほか、和解書・和解契約書といった書面の取り交わしが行われます(ケースによっては準消費貸借契約書である場合もある)。
書面の通りかわしは貸金業者が作成した書面に弁護士・司法書士が代理人として記名捺印する場合のほか、弁護士・司法書士側で書類を作成して貸金業者が記名捺印する方法があります。
9.返済開始
和解内容に従って返済を開始します。
返済には、依頼者が直接貸金業者に対して返済する方法と、弁護士・司法書士が依頼者からお金を預かって貸金業者に振り込む弁済代行という方法があります。
弁済代行を行っているかどうかは事務所によるので、依頼時に確認するようにしましょう。
依頼者が直接返済をする場合、返済についての詳細が記載された和解書が弁護士・司法書士から送られてきます。
毎月の返済金額、返済日、振込先をよく確認して、遅れなく返済するようにしましょう。
この場合、従来のようにカードを使ってATMで返済することはできず、和解書に記載されている口座に直接振り込むことになります。
その際にかかる振込手数料は債務者が負担することになるので、注意しましょう。
弁護士・司法書士が弁済代行をする場合には、弁済代行手数料がかかるので、その金額にも注意しましょう。
10.完済まで返済
完済するまで返済を続けます。
返済が終わると任意整理は終了です。
任意整理が終わったときには特別なにか手続きをする必要はありません。
ケースによっては任意整理の際に取り交わした書面が返送されてきたり、完済したことを通知する書類が送られてくることもあります。
参考:ブラックリストはいつ始まりいつ終わる?
任意整理など債務整理をする場合のデメリットとして挙げられるブラックリストですが、これはいつ始まりいつ終わるのでしょうか。
ブラックリストとは、個人の借入・支払いに関する情報である信用情報に、債務整理や延滞の事実である異動情報が掲載されることによって、信用情報を使った審査が非常に通りづらくなることをいいます。
任意整理に着手して、弁護士・司法書士が受任通知を貸金業者に送ると、これをもとに債務整理が始まったことを貸金業者が信用情報機関に知らせます。
そのため、ブラックリストとなるのは、弁護士・司法書士が受任通知を貸金業者に送ったときに始まります。
そしてそのブラックリストは、3つある信用情報機関のいずれも、任意整理の場合は完済から5年で異動情報は消されることになっています。
そのため、任意整理においてブラックリストとなっている期間は、弁護士・司法書士が受任通知を送ってから、完済後5年が経過するまでです。
ブラックリストについては債務者が何か手続きを行う必要はありません。
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任意整理の必要書類
任意整理をするために必要な書類には次のものがあります。
身分証明書
身分証明書が必要です。
身分証明書は、弁護士・司法書士と任意整理の契約をする場合に、本人確認のために必要とされます。
また、弁護士・司法書士と相談する段階で、本人の任意整理についての相談であることを確認するために用いられることがあります。
弁護士・司法書士との相談については、基本的には本人についての相談をします。
これは、債務者や債務額、収入や支出など返済能力に関することがわからないと、弁護士・司法書士も適切な手続きを示すことができないためです。
本人以外からの相談は特別な事情がない限り受けていない弁護士・司法書士も多く、これを確認するために相談段階で身分証明書の提示を依頼されることがあります。
事務所で直接面談をしている場合には、身分証明書を預けてコピーしてもらう形になることが多く、オンラインでの依頼をした場合にはコピーしたものをFAX・郵送することになります。
公的な手続きでは写真付きのものか、写真がついていないもの2種類など、身分証明書に関する制限はありますが、契約は公的なものではないため弁護士・司法書士が何を請求するかによります。
写真付きの身分証明書がない場合には、相談の段階で身分証明書として有効なものがあるかを確認しておきましょう。
印鑑
弁護士との契約作成の時に印鑑が必要となるので持参しましょう。
実印である必要や、印鑑登録証明書を持参しなければならないということはなく、認印でも大丈夫です。
もっとも、いわゆるシャチハタ印・スタンプ印は不可としている事務所も多いので、注意が必要です。
クレジットカード・ATMカード
クレジットカード・ATMカード・契約書・レシートが必要となることがあります。
任意整理をする場合、所持しているクレジットカードやATMカードなどはもう使わなくなります。
この場合、クレジットカードやATMカードは磁気部分にハサミを入れて使えなくした上で、受任通知を送る書類に同封して返すのが通常です。
もっともこれらを紛失している場合には持参する必要はありません。
契約書や返済時のレシートなど
貸金業者との契約書や返済時のレシートなどはあれば相談時に持参しましょう。
契約書や返済後にATMから出力されるレシートには、残元金・利息・借入時期などの情報が記載されています。
正確な情報に基づいて手続きについて検討すれば、後から誤差が多くて手続きが上手くいかなくなることもなくなります。
任意整理の依頼前後でやってはいけない3つのこと
任意整理の依頼前後でやってはいけないこととして次のものが挙げられます。
依頼前
依頼前にやってはいけないこととしては次のものが挙げられます。
弁護士・司法書士に嘘をつく
弁護士・司法書士に嘘をつくのは絶対にやってはいけません。
債務額が多かったり、返済に回せる原資が少ないと、任意整理では手続きができず、自己破産・個人再生といった方法が必要となります。
自己破産はしたくないと考えた結果、債務額を過少に申告する、一部の債務について秘匿する、返済に回せる原資を多めに申告する場合があります。
これによって任意整理をしようとしても、実際に返済が始まると返済できなくなって、あらためて債務整理が必要となることがあります。
弁護士・司法書士には本当のことを申告しましょう。
1.依頼前に新しく借金やクレジットカード利用をしない
依頼前に借金・クレジットカードの利用をするのはやめましょう。
債務整理を依頼する場合、以後はお金が借りられなくなる・クレジットカードが利用できなくなることから、依頼前に限度額一杯まで借入をする・クレジットカードを利用するケースがあります。
債務整理を決心している以上、契約通りの返済はその後はしないにも関わらず、お金を借入れることは、詐欺を疑われても仕方がないことです。
特に新しく消費者金融や信販会社を契約して、1度も完済しないで任意整理をしようとすると、貸金業者が応じてくれないことがあります。
依頼前に借金・クレジットカードの利用をするのはやめましょう。
依頼後
依頼後にやってはいけないことには次のものが挙げられます。
2.依頼中にお金に困っても新しく借金などはしない
依頼中にお金に困っても、新しく借金をしないようにしましょう。
依頼をしている最中に、どうしてもお金が足りなくなることがあります。
この時に借入をすることには注意が必要です。
債務整理を依頼した段階で上述したとおりブラックリストとなります。
そのため通常は借入ができなくなります。
この場合に、ブラックOKなどというふれこみで、SNSや路上の張り紙などでお金を貸そうとする業者がいるのですが、その利用は非常に危険です。
いわゆる闇金融である可能性や、融資詐欺に合うことがあります。
どうしてもお金が必要な際には、親族や友人・会社からの援助を得たり、自治体が行っている生活福祉資金貸付制度の利用が無難です。
これらの借入をする場合でも、弁護士・司法書士に相談しながら行いましょう。
弁護士費用の支払いができない場合にはすぐに相談する
任意整理の弁護士費用の分割払いができない場合には、すぐに弁護士・司法書士に相談しましょう。
任意整理の費用を分割で支払うようにしてもらっていても、急に冠婚葬祭の予定が入ったり、失職するなどして、分割での支払いもできない場合があります。
この場合でも、事情がわかれば弁護士・司法書士は支払いをある程度待ってくれます。
支払えないからといって、弁護士・司法書士に何も告げず、弁護士・司法書士からの電話にも出ないようなことが続くと、弁護士・司法書士は任意整理の依頼を辞任することになります。
貸金業者からの督促を受けることになるとともに、再度弁護士・司法書士に依頼する必要があり、それまで弁護士・司法書士に支払った金銭も返ってきません。
弁護士・司法書士への弁護士費用の支払いができない場合には、なるべく早く相談しましょう。
3.返済を滞らせない
任意整理の和解後の毎月の返済は継続する必要があります。
多くのケースで二回分以上支払いが滞ると、残金を一括請求できるようになります。
弁護士への費用が遅れた場合は柔軟に対応してもらえても、貸金業者への返済についてはきちんと行う必要があります。
そのため、なるべく手元でお金を貯めるようにして、返済を滞らせないようにする必要があります。
お金に困った時はすぐに事務所に相談
上記以外でも任意整理を完済するまでに、お金に困るケースは多々あります。
このような場合には、自分で考えるのではなく、依頼をしている弁護士・司法書士に素直に相談するようにしましょう。
特に返済が難しく自己破産・個人再生に切り替える必要があるときには、手続きが非常に厳格になるので、自己判断で行った行為が原因で、手続きが難しくなることも珍しくありません。
困ったことがある場合には、必ず弁護士に相談しましょう。
まとめ
本記事では、任意整理の流れや所要期間、やってはいけないことなどについてお伝えしました。
任意整理をする場合には、貸金業者との交渉をスムーズに行うために、弁護士・司法書士との強力が欠かせません。
任意整理を検討している場合には、早い段階から弁護士・司法書士に相談をして、後から困らないように確実に進めていくようにしましょう。
経験豊富な弁護士をはじめとした債務整理専門チームが丁寧に対応!
そこで本記事では任意整理の流れについて、任意整理とはどのようなものかと併せてお伝えします。